祇園祭2020〜「ご神事」と京都の価値〜

お問い合わせ

ブログ

2020祇園祭のすすめ 〜山鉾はないけど、神さまに近いお祭り期間〜

2020/07/13

2020年の祇園祭

大きなイベントが軒並み中止・延期になった春、私たちスタッフも少々ヤキモキしていました。それは、今年の祇園祭がどうなるのかの見通しが立たなかったから。

 

京都の夏を彩る祇園祭。言わずと知れた、日本三大祭のひとつです。
その祇園祭も、今年は山鉾巡行は中止、神事も大幅に縮小されることになりました。

 

千数百年の歴史を持つ祇園祭の山鉾巡行中止は想像もできませんでしたが、全国から訪れる見物客の賑わいが無くなるだけでなく、京都人として“祇園さんを肌で感じる”7月を失ってしまうのは、とてもつらいことです。

ご神事は行われる

毎年7月、京都の街は、その全体が“祇園さん”の空気に包まれます。

 

コンチキチン…の祭囃子が聞こえなくても、なぜか『ああ、祇園さんの時期だなあ』と、身体のどこかが感知するのはどうしてでしょう?京都人のDNAでしょうか。

 

浴衣姿をチラホラ見かけるようになって、打ち水をするような暑い日が増えて、鱧料理の看板が目に付き始める7月の京都。祇園さんの山鉾が立つ頃には梅雨明けのニュースも飛び込んできます。

 

残念ながら2020年は、この「山鉾」は立ちません。また勇壮な「神輿渡御」も中止です。

 

正直、上記の2つの行事中止によって、全国からお越しになる方がイメージされる、目に見える「祇園祭」はほとんどなくなりました。

 

ただし、祇園祭はあくまで「ご神事」です。
 

 

 

祇園祭は、疫病退散のお祭り

もともと祇園祭は、疫病退散を願う869年の御霊会を起源に始まったとされています。

 

八坂神社では「疫病退散を願うお祭りで、感染が拡大しては本末転倒」として、賑わいの予想される行事は中止し、ご神事は例年より少ない人数で執り行われているとのことです。

 

祇園祭 波乱の歴史

この時期、京都にお越しになる皆様に、山鉾巡行などを見ていただけないのは本当に残念です。しかし調べてみると、祇園祭はさまざまな事情によって、たびたび中断されていたようです。

 

たとえば鎌倉時代に始まった山鉾巡行は、室町時代には応仁の乱の影響で30年以上中断。その後、本能寺の変のあった1582年(天正10)年には祇園祭の時期が変更され、11月に行われたこともあるようです。

 

祇園祭は、京都で起きた一大事から大きな影響を受けていますね。


 
江戸時代の祇園祭も、ちょっと大変でした。
将軍や上皇が亡くなるたび、祭り自体の延期が増えたからです。

 

祇園祭の“波乱の歴史”、まだ続きます。


・1879年、86年、87年、95年、コレラ流行のため、祇園祭りは11月に延期。
・戦中と戦後直後の1943〜47年、第二次世界大戦により山鉾巡行の中止。
・1962年、阪急電鉄の地下工事のため山鉾巡行の中止。

 

京都は日本の歴史の中心地。華やかでありながらも、激動のあおりを受けやすい街でもあります。

しかし祇園祭は、中止や延期を繰り返しながらも京都の街に“在り続けて”くれました。

 

このようなことは、新型コロナの件がなければ注目を浴びなかったかも知れません。

 

2020年の私たちは、どうやら歴史のうねりの真ん中にいるようです。

 

「祇園祭」を感じにいらっしゃいませんか?

今年の祇園祭には、華やかで心躍る行事はありません。

 

しかし、中断と再会を繰り返しながら、ずーっと長い間、京都で守られ続けてきた「祇園祭」そのものが消えたわけではありません。

 

今年の私たちが願うのは、まさに「疫病退散」です。

 

もしかしたら、いつもの年よりも神さまに近い祇園祭。山鉾は立っていませんが、京都の空気に満ち溢れている“神聖な祈り”を、肌で感じることができそうです。

 

 

また、「祇園祭」についてもっと知りたい、という方にはこちらもおすすめです。
祇園祭ぎゃらりぃ公式サイト 

 

 

 

 

スタッフにお尋ねください

この時期の楽しみ方は、スタッフにお尋ねください。

 

鱧料理が食べたい…
美味しい冷酒に出会いたい…
桔梗の咲くお庭を眺めて、お抹茶が飲みたい…
静かなお寺で1日を過ごしてみたい…

 

7月の京都は、魅力にあふれています。うちわを片手に街を歩けば、たくさんの風景や味があなたを迎えてくれることでしょう。



さて、どんな旅がお好みですか?

 

今年の夏も、皆様のお越しをお待ちしています。